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当初、油漏れの修理を、製造元のAIDAに修理を依頼しました。しかし、部品を交換しようとしたところうまく取り付けできない。おかしいと思ったAIDAの担当者が精査すると、クラウンの軸受けに陥没部分が見つかりました。長期にわたるハードな加工によってすき間が大きくなり、ベアリングが当たって削られてしまったとのこと。こちらではまったく気づいておらず、大いに驚きました。しかし、このまま放置していたらガタはさらに大きくなってしまう。そこで、同社と相談して根本的な手当を行うことにし、ベアリングによる陥没部分が平らになるまで軸受け表面を削り、クランク軸と合うようにブッシュ(入れ子)を入れるという工事を決めました。
この工事はいくつかの点で困難を伴いました。この手の作業は機械を解体してクラウンを外し、製造工場に持ち帰って加工するのが一般的ですが、機械が設置してある現場にはクレーンが入るだけの余裕がないうえ、仮に工場の外に出すことができたとしても道路運送法の輸送制限にひっかかってしまってそのままではAIDAの工場まで運搬することができません。そこで、やむなくその場に基礎を組み、現場で修理を行うこととしました。
工事の中身からすると、通常なら2ヵ月程度はかかると見込ましたが、そこまで稼働をとめておくだけの余裕はない状況でした。
AIDA が、工事期間25日でやると設定してくれたので、こちらは事前に25日分のストックを作りおきして機械を止めました。1日でも工事が長引けば取引先に迷惑がかかってしまうため、納期は絶対厳守です。
幸い、工事は納期内に完了し、それだけでなく、当初、解体費用や運搬費用などを合わせて5000万円ほど発生すると見積もられていた工事費用が2300万円程度と半額以下ですみました。
よく見なければ油漏れの修理だけで終わってしまう可能性がありました。大きな不具合を未然に発見して予防保全につなげることができたのは、製造メーカーであるAIDA社が精査してくれたため。必要な強度を確保したうえでブッシュの厚みの調整を行うなど、長期的に見て信頼性の高い工事を遂行できたのも、常日頃から機械の構造や当社の使用状況などを把握しているAIDAだからこそできたこと。おかげで、ムダのない的確な工事を、短期間かつ低コスト完了することができた。ユーザーとしては、非常にありがたいことでした。
――ありがとうございました。今後とも貴社の発展のお力になれれば幸いです。