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保全(メンテナンス)とは、点検により機械の状態を把握し、保守によりその機械本来の性能を維持することです。点検により故障の兆候をいち早く発見し、大事に至る前に調整・補修を行うことで、プレス機械の突発停止を防ぎ、生産への影響を最小限に防ぐことができます。
更に、故障の兆候が出る前に解体点検を計画的に実施したり、機器類が寿命となる前に計画的に交換したりすれば、長期間の安定した稼働をより確実に行えます。これが予防保全です。
メンテナンス=保守・保全というと、何となく守りのイメージが感じられますが、予防保全は積極的なメンテナンスといえます。
プレス機械は長期間使用されることが多いうえに、構造的に過負荷を受けやすく(クランク機構では、理論的には下死点で無限大の力が発生する)、稼働時には大きな衝撃力や振動を受けることが避けられません。機械や装置の時間経過に伴う故障の発生率を表す目安として、その形状からバスタブ曲線(故障率曲線)と呼ばれる線図があります。(下図)
この「摩耗故障期間」に達する前にどのような保守を行うかが、機械の寿命を延ばすカギとなります。これは当然、機械の使用条件・使用環境等に大きく左右されますが、同じ条件であれば、予防保全の良し悪しが大きく影響することになります。
予防保全により、「偶発故障期間」に発生する故障の回数(故障率)だけでなく、発生した場合の故障の大きさ(損傷の程度)を抑えることにもつながるのです。
トラブルが発生してからの対応になった場合、最大の損失は、実際の修理費用以上にお取引先からの信頼を失うかもしれないということです。(下図)
突然の機械停止を未然に防ぐため、速やかに保守点検を、作業日程に織り込むことをおすすめします。