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ストローク長さの変更工事を実施することで、部品サイズの変更に対応

お客様データ 株式会社アイエムアイ様

一度は撤退も考えた分野で、逆にアドバンテージを獲得、しかもコストは半分以下。大いに満足しています。

Qお取引先からの注文内容が変更になったということでしょうか。

今井社長

はい。2011年の半ば頃からですかね。スマホやタブレットに押されてガラケーの生産量が落ちてしまったことが背景にあります。取引先の大手電機メーカーからは、スマホ用の電池ケースなら注文は出せるけど、どうする? と打診されました。これまで、ガラケー用電池ケースは絞り深さは50mmでしたが、スマホ用の電池ケースは、さらに20mmアップの70mmの深さが必要です。従来、私どもが使っていた設備では生産できない形状でした。

Q従来はどのような仕様のプレス機を使っておられたのですか?

今井社長

当時、私どもはAIDAの「NC2-160トン」という、ストローク長さ200mmのプレス機を使って生産していました。しかし、メカトランスファ加工の場合、搬送時間分の余裕が必要なため、絞り深さの3倍程度のストローク長さが必要になります。したがって、200mmでは70mmの絞り深さには足りなかったのです。一番簡単なのは、新しい角形電池の製造に適したプレス機を新規に導入することですが、それでは費用がかかりすぎます。それに、新規に発注すると生産に使えるようになるまでに1年程度はかかってしまう。取引先はそんなに待ってはくれません。スマホの場合、機種が変わると電池も変わります。製品のサイクルが短いので、受注してから量産まで1ヶ月くらいでこなさないといけないのです。

いろいろ悩んで、一時はこの分野から撤退することも考えました。でも、この事業は当社の柱のひとつであり、得意技の深絞りを生かせる仕事として長年取り組んできました。愛着もあります。そこで、撤退は思いとどまり、既存のプレス機を改造することで何とかスマホ用のケースをつくれないか、AIDAさんに相談することにしました。

Qどのような提案を受けたのでしょうか。

今井社長

AIDAからは「クランク軸を交換し、フレームの再加工を行うことで、ストローク長さを30mm伸ばしましょう。既存のプレス機を活用して、十分スマホ仕様のケースがつくれますよ」という提案をいただきました。AIDAは、「NC2-160トン」をつくったメーカーですから、このプレス機をよく知っているはず。それなら改造をお任せしても安心だ、という思いが強かったので、お願いすることにしました。

その際、AIDAさんからは、せっかく機械を解体するのだから、消耗品の交換などをはじめとするオーバーホールも同時に実施して予防保全にも手を尽くされてみては、との提案もいただきました。また、当社としてもこの機会を生かしてとかく不衛生になりがちな床下ピットを埋めたいと考えていました。その件については、床下ピットに設置していた金型冷却装置(タンク)を薄型タイプに更新して、床上に設置することにしました。

Qやってみて、いかがでしたか?

今井社長

一番気にかかっていたのは、やはりコストです。この点、改造後の能力と同等のプレス機を新規に導入する場合の費用の半分以下で、収めることができました。大いに満足し、感謝しております。

もうひとつ、AIDAに頼んでよかったと思ったのは、実質の工期が10日間と極めて短くてすんだことです。作業者の手配や部品の事前準備など、完璧に管理して遂行してくれました。

当時、電機メーカーが要求する水準のスマホ用電池ケースを本格的かつ大量につくれる態勢を整えていた加工メーカーはほとんどありませんでした。AIDAに相談してから改造計画をまとめ、実際に工事をして量産態勢に持ち込むまでの期間はトータルで約半年。この短い期間で他社に先んじて量産態勢を構築できたことで、当社の競争力はかなりアップしました。

提案を受けて実施した金型冷却装置の更新も、効果をあげています。従来より薄いタイプのタンクにし、床上とプレス機の隙間に設置できたため、スペースを有効に活用できるようになったうえ、掃除もしやすくなりました。プレス加工にとって冷却は“キモ”。冷却効果も向上しました。

――お力になれて光栄です。今後のご発展をお祈りしております。ありがとうございました。

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