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蘇った廃棄寸前のプレス機械 汎用プレスの二連同期システム

お客様データ 杭州松下馬達有限公司(PAPMRHZ)様

「遊休状態となっていた2台の汎用プレスに着目、大型機なみの順送加工を実現」

Q生産統合に伴って、どのような問題が発生したのでしょうか。

田中前総監

生産統合に伴い、杭州では新たに設備空調用モータの大型ブラケット部品を内製化することになりました。
これまでより大型の500トンクラスのプレス機械が必要になり、当初、順送プレス「PMX」の新規導入を検討されていましたが、納期・価格の両面で条件にあわず断念。このままでは生産に間に合わないという事態になりました。
そこで着目したのがマレーシア工場から移管された200トンの「NC2-200」と250トンの「NC2-250」の2台の汎用プレスです。この2台は商品移管に伴い用途を失い、使い道がないまま2年間放置状態が続いていました。
そこで、長年のつきあいのあるAIDAさんに、「新規導入するのではなく、廃棄が検討されている2台のプレス機械を有効活用することができないか」という相談をしたのです。

AIDAさんからの提案は、「インバーターを使って、2台の汎用プレスを同調させ、プログレッシブプレスとして活用できるよう、レトロフィット工事を行ってはどうか」というものでした。200トンと250トンの2台を同調させれば、あわせて450トンの仕事ができ、大型ブラケット部品の加工も可能になります。当社では昔から“プレスといったらAIDA”とAIDAさんの技術力に信頼を置いてきましたが、さすがに当初は、この二連同期システムの提案には半信半疑でした。

納期は半年短縮、約1億円強のコストカットに成功。生産のフレキシビリティも格段にアップ。

Q工事を行ってみて、いかがでしたか。

田中前総監

2台のプレスは、ストローク長さが30mm異なっており、同期させるには、下死点でタイミングを合わせる必要があるため、新たな制御システムの開発が行われました。また、2台を同時に操作するための集中操作盤も開発。2台のプレス間で材料のダブつきを抑えるため、PAPMRHZ側でも、サポートの役割となる金型を取り付けるなど工夫を重ねました。こうした同調工事、復元工事は、アンコイラー、レベラーフィーダー設置も含め、工事期間は約9カ月。新規購入の場合の納期15~16か月にくらべ、半年も短縮できました。さらに投資額は約9,800万円と、新規のプレス機械を導入するより約1億円強のコストカットに成功。16カ月で投資償却することができました。

しかも、このレトロフィットのメリットは納期・コストだけではありません。450トンプレスとしての生産だけでなく、2台を切り離して、200トン、250トンそれぞれ単発加工にも活用することができます。小型ブラケットの加工では工程数も少ないため加工能力は200~250トンで十分。大型部品にも小物部品にも対応できる、フレキシビリティが大きな強みとなっています。

Q現在はどんな状況ですか。

田中前総監

2006年から現在まで、この二連プレスは大きなメンテナンスも要することなく現役で活躍しています。
当初は半信半疑であった工事でしたが、初めて二連プレスの動作を見たときはAIDAさんの技術力に感動を覚えました。廃棄寸前だったプレスが蘇り、現役として今も動いていることに、お願いして正解だったと実感する今日この頃です。

――ありがとうございました。今後もさらにお力になれるよう、チャレンジを続けてまいります。

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